
サッカー・サポート・センターのツイックラーです。今回は攻撃の原理原則を学べるスモールサイドゲームを紹介します。
小学校低学年から段々と団子サッカー(個vs個)を卒業し、チームでの戦いに変わっていくと思いますが、チームで効果的にボール運ぶポジショニングを理解させることはなかなか骨が折れる作業です。
縦68m×横50mの大きさをなんの法則性もなくただ思うがままに動いてしまうと、同じ場所に動き出したり、全員が前に上がってしまうでしょう。そうなると攻撃もできない上に、守備も効果的に行えずただひたすら走り回るだけになってしまいます。
走り回るだけでボールはこない、失点はしてしまう。そんな状態ではボールホルダーはパスは出さないし自らで打開しようという思考に陥ってしまうので、チームプレーに移行することは難しいでしょうね。

ただ前に上がるだけじゃボールはこないぞ!?

みんな固まっていないで広がればいいのに…。
指導歴9年、約1000人の幼児や小学生を指導してきたツイックラーが攻撃の原理原則である『幅』と『深さ』を身につけるスモールサイドゲームを紹介します。
2人のサーバーを使った1vs1のスモールサイドゲームです。この2人のサーバーが『幅』となり『深さ』となって攻撃の原理原則を身につけていきます。
攻撃の原理原則とはボールをゴールまで進ませるための根本的な仕組みであり基本的な法則のことで、ポジショニングの基本となります。
サッカーは常に状況が変化する瞬間瞬間が勝負になることが多いです。その為、指示を待って動いていては後手に回ってしまいどんどん不利な状況に追い込まれてしまいます。
仕組みや法則を理解していれば、どのように動いて、どこにポジショニングをとればよいか自らが考え、実行できるので思考や実行のスピードが上がり有利に進めることができるようになります。
攻撃の原理原則である『幅』と『深さ』。サッカーの原理原則のほんの一部ではありますが、ポジショニングの基本となる『幅』と『深さ』を理解することで団子サッカーから卒業し、チームで効果的に攻撃できるようになるので、ぜひ取り組んでみて下さい。
- 攻撃の原理原則が学べる。
- 『幅』を使った攻撃が学べる。
- 『深さ』を使った攻撃が学べる。
- グループでの攻撃を学べる。
- トランジションが素早く行えるようになる。
| 評価 | コメント | |
|---|---|---|
| 練習レベル | 3 | 小学生3年生以上。パスやトラップの基礎ができ、ポジショニングの理解ができる。 |
| 人数 | 3 | 4~8人。9人以上だと待ち時間が長くなるのでコートを増やして対応。 |
| 待ち時間 | 3 | 速く終わることもあれば、長引くこともある。 |
| バリエーション | 4 | 制約変更、グリッドの大きさやゴールの変更などバリエーションはたくさんある。 |
進め方

オーガナイズ
【パターン1(幅)】サーバーをサイドに配置

●手順
- 各サイドにサーバー配置する(ストライプ)
- 黄色マーカー(白)と赤マーカー(黒)に分かれて並ぶ
- 黄色マーカーにはボールを持って並ぶ
- 白がドリブルを始めたらスタート。
- 白あるいは黒がライン突破あるいはグリッドの外にボールを出したら終了。
- 白は赤マーカーに並ぶ
- 黒はボールを持って黄色マーカーに並ぶ
- 4~7を繰り返す
- 1巡あるいは2巡したらサーバーを交代する
●ルール
- 白は赤コーンの間のラインをドリブル突破したら勝ち
- 黒は黄色コーンの間のラインをドリブル突破したら勝ち
- サイドのラインをボールが割ったら終了。
- グリッド外にボールを蹴りだしたら終了。
- ボールホルダーはサーバーにパスをし、パスを受けることができる。
- サーバーはサイドライン上を動くことができる。
- サーバーはツータッチ以内でプレーする。
- サーバーのボールを奪いにいくことはできない。
【パターン2-1(深さ)】サーバーをゴールラインに配置

●手順
- 各ゴールラインにサーバー配置する(ストライプ)
- 黄色マーカー(白)と赤マーカー(黒)に分かれて並ぶ
- 白と黒は1名ずつグリッド内に入る
- Aは白側のサーバー、Bは黒側のサーバー。
- 指導者がABどちらかのサーバーにパスをしたらスタート(①)
- パスを受けたサーバーはグリッド内の味方(白はA、黒はB)にパスをする(②)
- 白はBに、黒はAにパスあるいはグリッド外にボール出したら終了。
- 白は赤マーカーに並ぶ
- 黒は黄色マーカーに並ぶ
- 3~9を繰り返す
- 1巡あるいは2巡したらサーバーを交代する
●ルール
- 白はBのサーバーにパスをしたら勝ち。
- 黒はAのサーバーにパスをしたら勝ち。
- ただしサーバーがボールをトラップできないと勝ちにならない。
- グリッド外(トラップミス含む)に出たら指導者がボールを配球し、再スタート。
- 勝敗あるいは3回グリッド外に出たら終了。
- サーバーはゴールライン上を動くことができる。
- 味方のサーバーは何度でもパスをしても良い。
- サーバーはツータッチ以内でプレーする。
- サーバーのボールを奪いにいくことはできない。
【パターン2-2】得点をとるたびに攻撃方向が変更

●手順
パターン2-1と同様
●ルール
- 白はBのサーバーにパスをしたら1点。
- 黒はAのサーバーにパスをしたら1点。
- 得点をとるたびに攻撃方向が変更される。
- ボールホルダーからボールを奪った際、ABどちらかにパスを出す。(ただし無得点)
- その後、攻撃方向を変更される。
例)ボールを奪ってAにパスをしたら、次はBにパスをしたら得点。 - 連続2回あるいは3回得点したら勝ち
- グリッド外(トラップミス含む)に出たら指導者がボールを配球し、再スタート。
- 勝敗あるいは3回グリッド外に出たら終了。
- サーバーはゴールライン上を動くことができる。
- 味方のサーバーは何度でもパスをしても良い。
- サーバーはツータッチ以内でプレーする。
- サーバーのボールを奪いにいくことはできない。
- グリッドの大きさを変更する。
例)狭くor広く、縦長or横長 - サーバーはワンタッチだけプレー可能。
- 白と黒のプレーを右足or左足だけにする。
- ゴールを設置し、得点をシュートにする。(パターン1)
- 2ゴールのライン突破にする(パターン1)
- サーバーのボールを奪いに行っても良い
- サーバーにパスをしたら即座に攻撃方向を変更し、継続して続ける。
白:A→B ⇒ B→A、黒:B→A ⇒ A→B
必要な道具

- ボール×3個以上 ※1個でもできます。
- マーカー×2個
- コーン×4個


【補足】

★夏場に必要な道具
★冬場に必要な道具
キーファクター
- パスの精度
- ドリブルの使い分け(運ぶorかわす)
- パスを出した後の動き出し
- ボールコントロール
- 幅の使い方
- 深さのとり方

応用
【2vs2+フリーマン】
3人はサッカーにおけるグループの最小単位。3人で『幅』と『深さ』を意識してボールをつなぎゴールを目指すようにしていきます。

【ルール】
- 指導者からボールを出したらスタート
※指導者がいない場合は休んでいる選手でも可 - ゴールに入れたら1点
- ボールがピッチの外に出たらあるいは点が入ったら指導者からボールをだして始める
- シュートは相手陣地内から
- フリーマンは2タッチ以内
★詳しくは下記の記事を参照ください。
獲得できるスキルとメリット
- サッカーの攻撃の原理原則が身につく。
- 幅を使った攻撃が上手くなる。
- 深さを使った攻撃が上手くなる。
- パスの精度が向上する。
- ボールコントロールが向上する。
- パスを出した後の動きの質が向上する。
- ボールキープ力が向上する。
- 運ぶドリブルとかわすドリブルの使い分けが上手くなる。
- 1vs1のディフェンスが上手くなる。
- ボールを奪った後のトランジション(守→攻)が速くなる。
サッカーにおける攻撃の原理原則である『幅』と『深さ』を身につけるスモールサイドゲームです。
チームスポーツであるサッカーは自分のほかに10人のチームメイトがいます。その10人が何の法則性もなく動きだしたり、逆に動かなかったらボールをゴールに進ませることができません。
ボールをゴールまで進ませるための根本的な仕組みであり基本的な法則(原理原則)が『幅』であり『深さ』です。その『幅』と『深さ』を構造的に理解することができるオーガナイズになっています。
この中にはパス、ドリブル、トラップなどが複合的にあり、数的有利の中で相手ディフェンダーとの駆け引き(ボールキープや運び方、パスを出した後の動き出しなど)もあるのでサッカーに必要な技術や認知と判断を養うことができます。
ディフェンス側も数的不利の中、パスやドリブルコースの限定からどうやってボールを奪うかが身に付き、ボールを奪ってから幅や深さを使ってどう攻撃するかのポジティブトランジションの意識が身についていきます。
注意点やデメリット
- 1vs1ができず、ボールを蹴りだしてしまうとサーバーの意味がなくなる。
- サーバーが動かずにぼーっとしているだけだと幅や深さが使えない。
- トラップができないとゲームが続かない。
幅や深さを使って攻撃することを身につけるためのオーガナイズなのでドリブルだけやり続けたり、ボールのけり合いになってしまうと攻撃の原理原則を身につける場にならなくなってしまいます。
またサーバー役の2人が全く動かない、状況を観ていない、ボールをトラップできないだと幅や深さを取る意味がなく幅や深さをとる有益さを知ることができなくなってしまいます。
まずは選手たちが幅や深さを理解できるレベルにあるかを見極め、まだ難しいと判断したときは3vs3などのスモールサイドゲームをするようにしていきましょう。その中でパスをもらうポジショニングをちょっとずつ身につけてからでも良いです。
指導ポイント

- 攻撃の原理原則(幅と深さ)
- ドリブルとパスの使い分け
- 素早いトランジション
- パスを受ける角度
【攻撃の原理原則(深さと幅)】
『幅』をとることで相手選手間の隙間を作り、『深さ』をとることでボールを前進させたり逃げ道を作り、相手選手を間延びさせることができます。相手選手間の隙間や間延びさせることでスペースを作ることができ、パスを通しやすくドリブルで運びやすくすることができます。
その為、試合では常に幅と深さを意識したポジショニングをとることが必要で逆に幅や深さが取れないと相手が守りやすくボールが奪われやすくなってしまいます。
ただ1つ気を付けなくてはいけないことはボールをつなぐだけ、奪われないだけの幅と深さにならないようにしないといけません。あくまでも攻撃するための原理原則であり、ゴールに近づきシュートすることが目的でなくてはいけません。
ただボールを受けるだけでなく幅のとり方も深さのとり方も前進できるようなポジショニングをとるように共有していきましょう。

『幅』と『深さ』を全員で共有して共通言語としておくと指示が理解しやすく、チーム内でも声掛けしやすくなります。
【ドリブルとパスの使い分け】
数的優位な状況なのでボールホルダーはたくさんの選択肢を持ってプレーができます。その中でパスだけドリブルだけだと自ら選択肢を狭めてしまい有利さが少なくなってしまいます。
パスの中にドリブルを織り交ぜたり、ドリブルを仕掛けてパスを織り交ぜて有利さを最大化して相手ディフェンダーを迷わせて積極的に仕掛けていくように共有していきましょう。

選択肢が増えるれば増えるほど相手ディフェンダーを迷わせ、有利に進めることができます。
【トランジション】
ボールを奪った瞬間は相手が崩れている状態なので優位性が一気に入れ替わります。奪った場所、奪いに行く状況から次の選択肢をイメージし奪ったら即座に実行できるように予測しておきましょう。
奪ったらサーバーに預けてワンツーパス、パスするふりをしてドリブルして運ぶなど選択肢をいくつか提示して、いろいろなアイデア出るように促していきましょう。

トランジションは1秒でも早くできれば、得点の可能性が大きくなっていきます。
【パスを受ける角度】
幅や深さをとるといってもただラインの真ん中に立つだけではボールは繋がっていきません。ボールホルダーの体の向きにによって下がったり、上がったり、左に動いたり、右に動いたりしていきましょう。
また原理原則の中でも記載しましたが、攻撃をするための幅だったり深さなのでボールホルダーに対して角度をとったポジショニングをとるようにしましょう。真横では前進できない、真正面だと相手ディフェンダーにかぶってしまいパスが出せません。
角度をとることで相手ディフェンダーにボールを奪われにくくボールを前進できるといういことをデモンストレーションでみせ、ポジショニングを変えることで有利に進めることができることを共有し、身につけていきましょう。

立ち位置が1歩でも変わるだけでボールが滞ってしまったり、最短でボールを運べたりします。サーバーもボールを受ける練習になるので、立ち位置についてもこだわっていきましょう。
まとめ
- 攻撃の原理原則である『幅』と『深さ』を身につけるトレーニング。
- 大きなピッチの中、なんの法則性もなく動くことはできない。
- 原理原則を知れば、指示されることなく素早くポジショニングがとれる。
- サーバー2人を置くことで数的有利な状態で『幅』と『深さ』を使うことができる。
- バリエーションも多く、制約など変化もつけやすい。
- 判断やトランジションのスピードが向上し、ボールコントロールの技術も身につく。
- サーバーの技術や理解度が低いとトレーニングの効果が薄い。

『幅』と『深さ』はビルドアップやポゼッションにおていとても大事な要素。この原理原則を理解しないとボールは繋げられないよ。enjoy football!!
★選手への声の掛け方や接し方、指導方法について学びたい方は下記の本を読んでみて下さい。
★スキル習得する練習メニューの作り方を詳しく知りたい方は下記の本を読んでみて下さい。
★『認知→判断→実行』を効果的に身につける方法を学びたい方は下記の本を読んでみて下さい。







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