サッカーの初心者や低学年向けのパス練習。パスのタイミングがうまくなる。

低学年や初心者のパスの導入練習として対面パスであったり、パスからシュートの練習をしていると思います。何回かを行えばある程度上達していき正確にパスができるようになっていきますが、3vs3のゲームや２vs１のゲームを行うと、パスをする前にボールを奪われてしまったりディフェンスにボールをぶつけてしまうことがよく見られます。

ディフェンスがいるとパスを出すタイミングが全くわからずドリブルでディフェンスに近づき過ぎてしまったり、ディフェンスが寄せてくるのを待ちすぎてしまうのでパスが出せなくなってしまいます。

指導歴9年、年間100人の幼児や小学生を指導しているツイックラーがパスのタイミングを身につけるパス練習を紹介します。

オーガナイズはシンプルでまずはコーンに向かってドリブルをし、コーンにぶつけないようにパスをすることにより、パスを出すタイミングをつかんでいき、コーンで慣れてきたら指導者がディフェンス役をして実践に近づけていきます。

２vs１の数的有利な状況や２vs２、３vs３などのゲームでパスのタイミングをつかんでいく方が本当は良いのですが、やはり低学年や初心者にはハードルが高く、成功体験を得る回数が少ないので結局ドリブル突破ばかりになってしまいます。

ぜひこの簡単に成功できかつディフェンスがいる状況を想定したパス練習をすることでパスのタイミングをつかみ2vs1やゲームでパスの成功回数を増やしていきましょう。

	評価	コメント
練習レベル	2	小学生1年生以上。初心者向けのパス練習
人数	3	２～１０人。場所を複数作れば人数を増やせる
待ち時間	3	10人以下なら待ち時間はほぼなくできる
バリエーション	3	パターンを変えたり、いろいろな制約をつけて行える

進め方

オーガナイズ

【パターン1】

1. 赤マーカーにボールを持って並ぶ（白）
2. 黄色マーカーに並ぶ（黒）
3. 白の先頭がドリブルを始める（①）
4. 白がドリブルを始めたら黒がボールを受けに走る（②）
5. 白が青マーカーを通過しコーンにぶつかる前に黒へパスを出す（③）
6. 黒はボールを受けてゴールにシュートする（④）
7. 黒はボールを持って赤マーカーに並ぶ
8. 白は黄色マーカーに並ぶ
9. 3～8を繰り返す

【パターン2】

1. 赤マーカーに並ぶ（白）
2. 黄色マーカーにボールを持って並ぶ（黒）
3. 黒の先頭が白にパスを出す（①）
4. ボールを受けたら白がドリブルを始める（②）
5. 黒はパスをしたらボールを受けに走る（③）
6. 白が青マーカーを通過し指導者（ストライプ）にとられる前に黒へパスを出す（④）
7. 黒はボールを受けてゴールにシュートする（⑤）
8. 黒はボールを持って赤マーカーに並ぶ
9. 白は黄色マーカーに並ぶ
10. 3～9を繰り返す

必要な道具

• ボール×2個以上
• ゴール×1個
• マーカー×4個
• コーン×3個

【補足】

★夏場に必要な道具

★冬場に必要な道具

キーファクター

• インサイドパス（足元、スルーパス）
• パスのタイミング
• パスを出しやすいボール運び（ドリブル）
• 次のプレーを意識したボールコントロール（ドリブル、シュート）

応用

【2vs1】

1. 青マーカー（白）と黄色マーカー（白）、赤マーカー（黒）に並ぶ
2. 赤マーカー(グリッドライン上）はボールを持って並ぶ
3. 赤マーカーの先頭がグリッド内にある赤マーカーまで進む
4. 赤マーカーから青あるいは黄色マーカーに向かってパスをしたら2vs１開始
5. 終わったら黄色⇒青、青⇒赤、赤⇒黄色マーカーに移動する
6. 3~5を繰り返す。

〈ルール〉

• 青と黄色がオフェンス、赤がディフェンスで始める
• 赤がボールを青か黄色にパスをして始める
• 青と黄色はAのゴール、赤はBのゴールにシュートを決めたら勝ち
• グリッドの外にボールが出たら終了する

獲得できるスキルとメリット

低学年や初心者向けのパスを出すタイミングをつかむための練習です。低学年や初心者はパスを出すタイミングがわからず、相手ディフェンスに近づきすぎてパスを出す前に獲られてしまったり、一度止まってからじゃないとパスが出せないことがよく見らます。

まずは動かい相手（コーン）を使ってパスを出すタイミングをつかんだら、コーンの代わりに動く相手（指導者）を入れてパスを出すタイミングを覚えていきます。タイミングよくパスを出すためにはボールの運び方が重要になるので、運び方も上達していきます。また動いている相手にパスをしなくてはいけないので、コーンや指導者だけでなく受け手の動きを観てパスを出すようになっていきます。

最後はシュートで終わるのでシュートの正確性や強さも上がっていき、トラップからシュートまでスムーズに動くためにボールコントロールも上達していきます。

注意点やデメリット

ドリブルからのパスはボールの運び方がとても重要なのでドリブルのスピードが速すぎたり、ボールを強くけるような運び方は上手くいきません。最初はゆっくりでいいのでボールを足元に置くようにボールを運びましょう。ただし歩きながら運ばないように注意しましょう。パスの受け手はゴールに使づきすぎないようにしましょう。実際の試合ではゴールの目の前でボール受けてもGKに獲られてしまったりオフサイドの反則になってしまうので走りこんでボールを受けられるように走るスピードを調整しましょう。

また動いている相手に合わせてパスを出せないとボールを獲りにいってる時間ばかりかかってシュートの練習にならなくなってしまいます。受け手の動きをよく見て走るスピードを考えて出せるようにしましょう。

相手に合わせてパスがうまく出せない場合は下記の練習をお勧めします。

指導ポイント

【ボールの運び方とパスを出すタイミング】

ボールをコントロールすることを意識して運ぶようにしましょう。ただドリブルしてパスにしてしまうと運び方がパスしかできない運び方であったり、突っ込んでいくようなドリブルになってしまいます。サッカーはドリブル、パス、シュートを使い分けていくものなのでドリブル突破もシュートもできるようにボールをコントロールして運びましょう。

青マーカーを通過してからコーンに当たる前にパスを出すので、青マーカー手前ではボールを無駄に触らずボールの近くでタイミングを計りながらしていきましょう。またパスは相手がいるものなので青マーカーの侵入する前にパスの相手を観てからパスをするようにしましょう。

【動いている相手へのパス】

動いている相手へのパスは意外と難しいです。相手の動きのスピードからパスが届いたときにどこにいるかの予測をしないといけないのと点で合わせる正確なパスが必要です。その為、まずは相手のスピードを落とさせない場所にパスをするようにさせましょう。パスは前進させるためにするのでずれていても最初は問題ありません。

ただ適当にパスしては調整できないので相手の動きをしっかり観てからパスを出すことを習慣づけるようにしましょう。

【シュート前のコントロールとシュート】

「シュートはファーストコントロールで決まる」と言われるぐらいシュート前のコントロールはシュートを成功させるための大事な要素です。

ボールを受けるときはしっかりボールに近づいて足元で受けるようにしましょう。スルーパスを受けるときは足を延ばして受けがちですが、軸足が安定せずボールが止めらなかったり、バランスを崩して次の行動に移せなくなってしまいます。

そしてトラップしたらシュートが撃ちやすい場所にコントロールしましょう。置き場所は利き足や足の長さによって変わりますが、まずはゴール方向にコントロールするよう意識しましょう。慣れてきたら利き足に合わせた置き場所や踏み込むためのスペースを考慮した置き場所も意識できるようにしていきましょう。

まとめ

★選手への声の掛け方や接し方、指導方法について学びたい方は下記の記事を参考にしてください。

★スキル習得する練習メニューの作り方は下記の記事を参考にしてください。

★室内でのボール運動やレクリエーション用のボールを使ったゲームについて下記の記事を参考にしてください。