
サッカー・サポート・センターのツイックラーです。今回はサイドの崩しからのフィニッシュまでの練習です。
小学校高学年になってくると個々の運動能力が向上しているのに合わせてチームとしての守備戦術も整ってきます。その為、1人でドリブル突破や放り込んだボールに走って突破するなど単純な攻撃では崩すことが難しく、特にアタッキングサードと呼ばれるペナルティーエリア付近は人数は多く、寄せの速さが最も速いので点を取るのに苦労してるのではないでしょうか?

ドリブル突破だけではシュートまで行けない…。

相手の守備がまとまっていてなかなか崩れない。
指導歴9年、年間約100人の幼児や小学生にサッカーの指導をしているツイックラーがアタッキングサードでのサイドの崩しの練習を紹介します。
アタッキングサードでも最も攻略が難しいのはバイタルエリアと呼ばれるペナルティーエリア中央付近なので1試合のうち7割方バイタルエリアを避けたサイドから攻撃を仕掛け、アタッキングサードを攻略していきます。ワンツーを起点としてサイドを崩していき縦に突破しクロス、中央に侵入しディフェンスの間からのシュートで攻略していく練習です。3人目を使いクロスやスルーパスで崩していくパターンにも変更可能です。
7割がサイドから攻めるサッカーにおいてサイドからの崩しがうまくいけば得点の確率が上がり、また相手ディフェンスがサイドの攻撃を警戒してくれば中央からの攻撃も有効になっていきます。サイドの崩しのパターンとしてぜひ取り入れていただき、試合に生かしてほしいです。
- グループでのサイドの崩しのパターンを習得する
- パス&コントロールの技術が向上する
- シュート技術が向上する
評価 | コメント | |
---|---|---|
練習レベル | 5 | 小学5年生以上。インサイドキックやトラップなどの基礎技術が必要。 |
人数 | 3 | 2~10人。オーガナイズが複数あれば増やすことができる |
待ち時間 | 2 | 1回10秒ぐらいなのでほとんどない |
バリエーション | 4 | スルーパスやクロス、制約をつけるなどバリエーションは多い |

進め方

オーガナイズ
【パターン1】ワンツーからシュート

- 赤コーンの前に1人つく(黒)
- 赤マーカーの前にボール持って並ぶ(白)
- 白が一番手前の緑コーンに向かってドリブルをはじめる(①)
- タイミングを見て黒にパスして中央に走る(②、③)
- 黒はワンツーパスで白にボールを渡す(④)
- 白はシュートする(⑤)
- 黒はボールを拾いにいき赤マーカーに並ぶ
- 白は赤コーンの前につく
- 3~8を繰り返す
【パターン2】ワンツーからクロス→シュート

- 赤コーンの前に1人つく(黒)
- 赤マーカーの前にボール持って並ぶ(白)
- 白が一番手前の緑コーンに向かってドリブルをはじめる(①)
- タイミングを見て黒にパスして縦に走る(②、③)
- 黒はワンツーパスで白にボールを渡しゴール前に走る(④、⑤)
- 白は中央にクロスを入れる(⑥)
- 黒はクロスをシュートする(⑦)
- 黒はボールを持って赤マーカーに並ぶ
- 白は赤コーンの前につく
- 3~9を繰り返す
- 右サイドから始める
- ワンツーパスからシュートまですべてダイレクト
- GKをつける
- シュートまでの時間制限をつくる
必要な道具

- ボール各1個
- ゴール×1個
- マーカー×2個
- コーン×5個


【補足】

★夏場に必要な道具
★冬場に必要な道具
キーファクター
- クロスへの合わせ方(シュート)
- 動いている相手へのパス(ワンツーパスの精度)
- クロスの質(高さ、スピード)
- 動き出しのタイミング

応用(3人で崩し)
【パターン1】ワンツーからクロス→シュート

- 赤コーンの前に1人つく(黒)
- 赤マーカーの前にボール持って並ぶ(白)
- 青マーカーに並ぶ(ストライプ)
- 白が一番手前の緑コーンに向かってドリブルをはじめる(①)
- タイミングを見て黒にパスして縦に走る(②、③)
- 黒はワンツーパスで白にボールを渡しゴール前に走る(④、⑤)
- ストライプもタイミングを見てゴール前に走る(⑥)
- 白は中央にクロスを入れる
- 黒またはストライプがシュートをする
- 黒は青マーカーに並ぶ
- 白は赤コーンの前につく
- ストライプはボールを持って赤マーカーに並ぶ
- 4~12を繰り返す
【パターン2】ワンツーからスルーパス→シュート

- 赤コーンの前に1人つく(黒)
- 赤マーカーの前にボール持って並ぶ(白)
- 青マーカーに並ぶ(ストライプ)
- 白が一番手前の緑コーンに向かってドリブルをはじめる(①)
- タイミングを見て黒にパスして中央に走る(②、③)
- 黒はワンツーパスで白にボールを渡しゴール前に走る(④)
- ボールを受ける(⑤)
- ストライプはタイミングを見てゴール前に走る(⑥)
- 白はストライプに合わせてスルーパスをする(⑦)
- ストライプはシュートをする(⑧)
- 黒は青マーカーに並ぶ
- 白は赤コーンの前につく
- ストライプはボールを持って赤マーカーに並ぶ
- 4~13を繰り返す
- 右サイドから始める
- ワンツーパスからシュートまですべてダイレクト
- GKをつける
- シュートまでの時間制限をつける
獲得できるスキルとメリット
- サイドからの攻撃が上手になる
- ワンツーパスが上手になる
- クロスの質が高くなる
- クロスに合わせる技術が高くなる
- ボールを出した後の動き出しが速くなる
- シュートの技術が高くなる
- コーディネーション能力が向上する
サイドからの崩しをイメージした練習です。ワンツーで崩して縦あるいは中央に突破していきます。パターンとしてクロスを使った攻撃あるいはワンツーからのミドルレンジのシュート、応用として3人目を使ったクロスあるいはスルーパスからのシュートがあります。
アタッキングサードでの崩しはテンポが重要なのでテンポの良いワンツーをを身につけ、テンポに合わせた動き出しのタイミングやパスを出した瞬間に動き出すコーディネーション能力を向上させていきます。崩した後のフィニッシュの場面ではGKを外したクロスの質あるいは相手の動きを止めないスルーパスの質、そしてディフェンスを外しながらのシュートやクロスに合わせたシュート、スルーパスからのシュート技術を向上させていきます。
色々な崩しのパターンを練習しても、クロスを練習したいあるいはシュートを練習したいとフィニッシュの場面にフォーカスしてパターンを選んで練習することも可能です。
注意点やデメリット
- 難易度が高い
- パスが大きくずれるとテンポが悪くなる
- トラップミスするとテンポが悪くなる
- インサイドキックができないと続かない
- ローテーションの順番を間違えやすい
アタッキングサードを攻略するための練習なので、まず第一にインサイドキックのパスやダイレクトのパス、トラップができないと練習になりません。それだけではなく、速いパススピード、素早い動き出しなどテンポも落とさず行えないと相手ディフェンスを崩すことができないので難易度はとても高い練習です。
一本でもパスがずれてしまったり、ボールを止めることが出来なかったりするとフィニッシュまでもっていくことができないのでチームの実力を見極めて取り組むようにしましょう。またローテーションがわかりにくくなっているので各場所の人数が偏ってくることがあるので注意しましょう。
指導ポイント

- パスのテンポ
- 動き出しのタイミング(ワンツーやクロス)
- GKを意識したクロスあるいはスルーパス
- シュート前のボールへのアプローチ
- シュートの選択(対角、ファーサイド、強く、コントロールなど)
【パスのテンポ】
ペナルティーエリアを攻略するためにはパスのテンポが重要です。相手ディフェンスはシュートを撃たれないように必死になって寄せてくるため、ツータッチ、スリータッチしている時間はありません。ワンタッチでテンポよく繋ぎながら、相手ディフェンスのプレスを回避していきフィニッシュまでもっていくようにしましょう。

ワンタッチでパスつなぎ、速いテンポでフィニッシュまでいけると相手はそのテンポについていくのに必死になるのでフェイントも効果的にできますよ。
【動き出しのタイミング】
テンポよくパスを繋げていくためには動き出しのタイミングをパスのテンポに合わせることも大事です。いくらワンタッチでプレーしても全部止まって受けてしまうと相手に捕まってしまうので動きながらテンポよくボールをつなぐいでペナルティーエリアを攻略しましょう。動き出しのタイミングは遅いと出し手がボールを出せず止まってしまうので、動き出しは速すぎるぐらいでよくパススピードで動きに合わせるようにしましょう。

速いテンポを生み出すのは速い動き。人が動かなければパスは出てきません。
【GKを意識したラストパス】
いくらシュートする人へのピンポイントでのクロスやスルーパスでもGKに獲られてしまっては意味がありません。そしてGKにキャッチングされてしまうと攻撃は継続できず区切られてしまいます。逆に言うとGKにキャッチされなければ相手ディフェンダーのクリアを拾ったり、ミスによって良いところに転がってくる可能性がありチャンスが残されます。その為、GKにキャッチされないファーサイドへのクロスやパススピード速いグランダーのクロス、GKが出てこれないスルーパスなどGKを意識したラストパス(クロスあるいはスルーパス)をするようにしましょう。

ペナルティーエリアで最強なのはGKです。GKを無効化できるようなパスを出しましょう。
【シュート前のボールへのアプローチ】
GKを意識するのは受ける側も一緒です。クロスやスルーパスもGKに近い位置で受けようとするとキャッチされてしまいます。また立ち止まって受けようとするとGKやディフェンダーに狙われてしまうので入り込むスペースを空けといて、パスが出た瞬間に動き出せるようにしましょう。
ボールの合わせ方は点で合わせるのではなく、面で合わせられるようにボールにアプローチしましょう。面で合わせることによって思っていたボールとずれていても合わせられるようになります。アプローチする際は体の向きがゴール方向に向くようにしましょう。

ボールへのアプローチが悪いとそれだけでゴールにとばす確率がぐっと下がりますよ。
【シュートの種類】
スルーパスから、クロスから、ワンツーからなど色々なパターンでシュートをしますが、1つのやり方に固執するのではなくいろいろなシュートを試してみましょう。スルーパスからはファーへのグランダー、ニアへの高いボール、ループなど、クロスはたたきつけたヘッドやファーへのふんわりしたシュート、ボレーなどワンツーからはステップを入れて対角へのシュートやファーサイドへカーブをかけたシュートなど、まだまだ書ききれないほど種類があるのでどんどんチャレンジしましょう。

シュートの引き出しはたくさん持っていると様々な状況に対応できますよ。
まとめ
- グループでのサイドの崩しの練習
- 1試合のうち7割はサイドからの攻撃
- サイドを攻略できれば試合を優位に運べる
- 難易度が高く、ミスがあるとフィニッシュまでいけない
- ワンタッチパスと素早い動き出しでテンポよく突破していく
- いろいろなパターンの崩しから、様々なシュートを試してみよう

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★選手への声の掛け方や接し方、指導方法について学びたい方は下記の記事を参考にしてください。

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★室内でのボール運動やレクリエーション用のボールを使ったゲームについて下記の記事を参考にしてください。

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